我輩は猫である。3(おまけ)

「あ、あぅ……」

ちゅ、ちゅ、と唇を深く重ねて、舌を絡ませると、可愛い俺の飼い猫は従順にそれに従った。その姿に、ぐっと熱が上がる。

俺の下で喘ぐこの男、名前はトシと言い、俺が拾った野良猫がニンゲンになった姿だ。
最初は到底信じられなかったけれど、何となく、灰がちの気の強そうな瞳が、トシにそっくりで、俺は案外とすんなり受け入れられた。
真っ直ぐな、サラサラストレートの黒い髪と、涼やかな瞳。引き締まった体は、完全に男なのに、俺はその体に欲情していた。
ちゅ、とキスを繰り返すと、トシは俺の肩を掴んで引き離そうとした。

「あ、銀……、くる、しい」

トシは猫だから、キスの仕方が分からずに息を止めてしまっているみたいだ。俺は荒い息を吐くトシの、頭から生えた耳にそっと囁く。

「トシ、キスをするときは、ここで息をするんだよ」

そう言って、ちゅ、と鼻頭にキスをする。するとトシは小さく頷いて、俺を見上げた。ちょっと涙目な瞳がこちらを真っ直ぐに見つめて、俺はうっと唸る。

可愛いッ!俺、こんな可愛い子とずっと同じ屋根の下で暮らしてたワケ!?

となんとなく違う感想を抱いた。

「それから、キスをする時は、目を閉じること。……できる?」

ちゅ、と瞼にもキスを落とすと、トシは、それくらいできる、と強がりを返した。
堪んねぇな、と思いつつ、俺はゆっくりと手をトシの体に延ばした。
きゅ、と反応をし始めている小さな突起を弄ると、すぐに固くなって、俺を愉しませた。

「や、あ、そこ……ッ、や、だ……」
「ん?何がダメ?こんなに、可愛いのに」
「んんッ」

その反応が可愛くて、俺は突起に舌を這わせた。すると、ぐっと背中を逸らせて、強請るような動きを見せたので、更に気分が良くなってそこを弄る手や舌に力が篭った。

「や、や、銀ッ!そこ、も、やだ……ッ」
「じゃあ、どこならイイの?ちゃんと教えて?」

くしゃりと俺の頭を抱えて悶えるトシ。俺は小さく笑って、どこを弄って欲しいの?と聞く。するとトシは、おずおずといった様子で、腰を俺の体に押し付けた。
う、さすがは猫。誘い方が大胆だ。

「ん、ぎん、はや……く」
「はいはい、今気持ちよくしてあげるから」

すりすりと擦り寄ってくる尻尾を撫でて、俺はもう一つのトシのしっぽを撫でた。にちゅ、とすでに濡れていたソコと尻尾を、同時に愛してやる。

「や、にゃ、う……ッ。ふ、あぁッ」

どうも、尻尾は性感帯の一つらしい。同時に弄られて、トシはビクビクと腰を跳ねさせた。その反応が可愛くて、俺は尻尾を弄りつつ、トシのソレを口に含んだ。

「や、あ!銀ッ……それ、舐めちゃやだッ!」

びくん、と大きく震えたトシの腰を宥めるように撫でながら、ねっとりと舌を這わす。そしてちゅう、と強く吸い上げると、トシはぐっと俺の頭を掴んで。

「ッ、ああっ、やああああっ」

ぶるりと体を震わせて、俺の口内で達した。

「は、はぅ……」

トシは達した衝撃で、荒い息を整えていた。口内のモノを飲んだ俺は、とろんとした瞳に一つキスをして。

「トシ、まだ終わりじゃないよ」
「え……?」

きょとん、と俺を見上げるトシににっこりと笑いかけて。
する、とトシの奥の方へ手を延ばした。まだ固いその場所へ指を這わすと、トシは何てそんな場所を触られているのか分かっていないのか、不思議そうな顔をしていた。

「トシ。人間はね、ここで繋がるんだよ」
「そ、そうなのか……?」

正確には、人間の男同士は、だけど。それを今言う必要はないだろう。
トシは俺の言葉になんの疑問も持たずに、そうか、と納得した顔をした。

「銀は、俺と交尾したいん、だよな?」
「そうだよ。トシと、ここで繋がりたい」

囁くように、俺が耳元でそう言うと、トシはふにゃりと力が抜けたようになって、ぼんやりと俺を見ていた。どうやら、この耳も性感帯の一つらしい。
俺はその姿に満足しつつ、絞まった入り口を弄る。先ほどトシが放ったモノを塗りつけるように弄っていると、徐々に緩んできてはいるみたいだった。
だが、まだ足りない。このまま繋がると、トシに多大な負担をかけてしまう。

俺はそう思って、トシの尻尾を掴んだ。びくん、と体を跳ねさせて、可愛い声を上げるトシ。そのまま尻尾を弄りつつ、俺は指を中へと侵入させた。

「ん、ん……ッ」
「トシ、苦しくない?」
「だ、大丈夫、だ」

するすると尻尾を弄りつつ、指を動かすと、中がうねった。その反応を見て、大丈夫だろうと判断した俺は、指の本数を増やす。

「あ、ぅ……んん」

3本の指が入ってだいぶ緩くなったそこに、もうそろそろ限界を迎えていた俺は、指を引き抜いた。ぐちゅ、と濡れた音を立てたそこは、ひく、と物足りなさそうに動いていて。
ごく、と唾を飲む。

耳をぺたんとさせていたトシは、小さく震えながらも俺を見上げて、銀、と呼ぶ。その声に煽られるようにして、俺は自分の熱をトシのそこに押し付けた。

「あ、あつ、い……ふ」
「うん、もっと熱くなるよ」

俺はぐっと腰を落として、その場所に自身を生めていった。

「あ、ぁっ!んんッ」
「く……」

途端に、締め付けてくるトシの中。俺はその熱を堪能しつつも、ぐぐ、と腰を進める。
と、奥の方に、行くと、トシの体がびくん、と大きく跳ねて。

「ああっ!や、やあ、そこッ……だめ!」
「……ここ?ここがダメ?」

ぐ、と反応のいい場所を押すと、トシはビクビクと跳ねた。だめ、だめ、と繰り返すトシに、俺はますます煽られている自分を自覚した。

「ダメじゃないよ。ちゃんと気持ちいいときは、気持ちいいって言わないと」
「や、あッ!にゃ、う……にゃあっ、ぎんッ!も、そこ、ッ」
「ほら、ちゃんと先生に言って?気持ちいいって……ッ」

腰を押し付けるたびに、トシは体を跳ねさせて、俺を締め付ける。その具合の良さに、俺も息が荒くなる。きゅ、きゅ、と絞まる入り口と、うねるように動く内部に、俺も自然と腰をそらせて更に奥へと進もうとしていた。

「にゃ、ッ……き、きもち……いい……ッ。にゃ、あぁんッ」
「ふ、可愛い……」

理性が飛んだように喘ぐトシに、俺も限界だった。ぐっ、ぐっ、と腰を押し付ける。

「あッ、ああああああッ」

びくびくと体を跳ねさせて達したトシ。それにつられるようにきゅうと締めつける内部に、俺は我慢せずに中へと熱を放った。

「あ、ッ……ぎ、ん……」

俺は満足して荒い息を吐いていると、トシが俺の肩を叩いた。どうしたの?とトシを見ると、ふにゃり、と幸せそうに笑って。

「……ッ」
「あ、やッ……おっきく、しな……あぁッ」

その笑みに再び元気を取り戻した俺は、ぐぐっとトシの中に入ったままの熱を、再び押し付けていた。

そうして、トシの体力の限界が来るまで、俺は愛猫を可愛がってしまったのだった。


END.


BACK TOP